2003年1月15日水曜日

『名前の無い週末』

何を言っても仕方がないから 今は笑ってしまおう
つぎはぎだらけの言い訳は余計やりきれないし
歩道橋 手すりにもたれて いつしか振り出した雨の中
行き場のない恋心 今頃気付くなんて

思い出したら悲しくなるから 早く忘れてしまおう
交わした言葉もまなざしも誰かのものだった
つまらないことがうれしくて勝手に育てた恋心
週末の夜なのに 溜め息ひとつついた

浮かんではまた消えて行くはやりの歌のように
右から左へとやり過ごしてしまえたらいいのに

週末の街は華やかで人はまるで河のように
街の形のままどこかへ流れていく
ちゃんと息もしてる 足も動く まだやれる
届くことない思いを両手に抱きしめて

何を言っても愚痴になるから こんな時はひとりで
週末の夜だけど誰にも会わずに
思い続ける強さと あきらめる勇気の
隙間で泣いている 名前の無い夜をひとり

思いのままに走れば誰かを傷つけてしまう
何もなかった顔でどこまで行けるのだろう

週末の街はあざやかで人はまるで河のように
たどりつくどこかへと足を運んでく
ちゃんと恋も出来る 季節もわかる まだ行ける
叶うあてない思いを両手に抱きしめて

つまらないことがとてもうれしくてやさしい気持ちになれたこと
終らない週末の光の陰で確かめながら

週末の街を流れてく人の河に身を任せて
たどりつきたい人の名前を呼び続ける
週末の街ははかなくて夜はまるで海のように
たどりつくすべてを静かに許してる
いいじゃない 雨は冷たい 傘をさそう まだやれる
ちゃんと息もしてる 足も動く まだ行ける
届くことない思いでも 叶うあてない恋でも
まだやれる


written by 篠原美也子
from『河よりも長くゆるやかに』