2003年7月11日金曜日

猫。

猫を見かけると、つい、話し掛けてしまう。
怪しい人でしょうか。

私は“ちゃんとした大人”には成れていないので、地下鉄のドアの前に座り込んでいる高校生の、将来を案じることはけしてないのだけれど。
やせっぽっちの、頼りなさ気な後姿が、路地の隙間に隠れるのを見ると、それを景色の一部として通り過ぎることはできなくて。
自転車を止めては、「こんにちわ」と声を掛けてみたり。
キャンパスに住む子と、ランチのサンドイッチを半分こしたり。
ただただ、じっと、見つめあってしまったり。
鍵穴に鍵をガチャガチャと押し込んでドアを開けると、当たり前のように、ぽぽとぷーが「んなぁーんなぁー」と玄関で出迎えてくれる毎日。
そのたび私は、その日、出会った猫たちの姿を、思い出す。
そして、ちょっぴり、胸がきゅーとなるのです。
あの子たちが、おなかをすかせているのも、
雨に濡れているのも、
ケンカをした傷が膿んでしまっているのも、
怪訝な顔と冷たい視線に晒されているのも、
保健所へ電話されているのも。
すべて、「どうしようもないこと」ではないはずだとわかっているのに、同情だとか生温いもので、逃れようとしている私を、突きつけられる。
自分が小さな人間だと、開き直ることで、責任を回避しているような。
ダメな私。

私はただの、身勝手な、猫好きのニンゲンです。