2008年12月18日木曜日

星雲。

深夜、部屋からぼーっと外を眺めていたら、
窓の外はむせるくらいの星雲が。
川の流れのようなスピードで、
西の空から東の地上へ向かう斜線を描いていた。
流れる途中で形を変えて、
それはウサギになったりシカになったり。
ちゃんと形を成すと同時に、家の裏の駐車場に着陸するので、
駐車場は動物を象った星雲で埋めつくされていた。

慌ててデジカメを手にして、シャッターを押した。

形を変えながら空を横切る様子と、駐車場。

その話を興奮しながら友達に語り、デジカメに入ったデータを見せようとしたら、
撮ったはずの写真はなく、
代わりに残っていた今までのデータが
全てぼやけていた。



という、夢を見て目を覚ましました。
すごくリアルで、それは本当に綺麗な光景だった。

今夜は双子座流星群ですね、とメールを送った週末。
あの人には空を見上げる余裕はあったかな。

2008年11月13日木曜日

アルバム。

先週末、15年来の友達の、2人目のベイビーに会いに行って。
そこで見せてもらった、成長記録のアルバム。
かわいいシールや、心のこもったメッセージの添えられた、写真たち。

それで、ふと思ったのだけれど、
私、自分の生まれた頃のアルバムって、ちゃんと見たことがなかった。

小さい頃には既に「壊れちゃった」だかなんだかで、
かろうじて分解してしまった3ページほどしか、目にしたことがなかった。


ま、歳の離れた3人目ともなると、そんなモンなのかな…


物心ついたときには、そんな風に考えていた。
ずいぶんと、冷めた子供だったと思う。
けしていい加減に育てられたとは思っていないし、
十二分に手をかけてもらったとは思うけれど、
なんだか私が生まれる前に、既に"家族"は出来上がっていたんだ。
漠然とだけれどそう納得していた。

けれど、それに気付かないふりをしていた。
自身の中の思考は、言葉にしてしまうと途端に鮮やかになってしまうから、
ずっとずっと、気付かないふりをしたまま大人になった。

だからきっと、どこかで家族を冷めた目で見ていたんだと思う。
常に一定の距離を保っていた。
傷つかないための、自己防衛。

大人になって日々は過ぎ、
花粉症のように、溜まっていたものが溢れてしまった2年前。
涙と一緒に、母親に投げつけたそれまでの想い。
傷つけてしまった、という後味の悪さだけが残った。
縮まらない距離も、そういうものとして受け入れているつもりでいた。



そして。

つい30分ほど前の出来事。

明後日からの旅行のためスーツケースを降ろしに、久しぶりに屋根裏へ。
スーツケースを降ろしている間に上っていってしまった猫2匹を追い、
再び屋根裏への梯子を上ると、以前より片付けられた一角が目に入った。

いくつもの古びたアルバム。
その一番上に置かれた表紙には、私の生年月日の刺繍。

梯子に突っ立ったまま初めて目にする自分のアルバムを開くと、
1ページ目には、私を内側に秘めていた頃の、お腹の大きい母の写真。
そして「みんなあなたを待っていました」というメッセージ。

バカみたいだけれど、本当にバカだと思うけれど、
今、ようやく、自分がちゃんと愛されていたことに気付きました。
ずいぶん親不孝だったな、私。

明日の朝、母に「ありがとう」って伝えよう。

2008年11月11日火曜日

着信を告げるライトは紫。

大丈夫。

大丈夫じゃない。

会いたい。

会えなくてもいい。

好きになって欲しい。

愛してもらえなくても構わない。

信じて欲しい。

信じてもらえなくても仕方ない。


感情の抑圧と、建前と、ちっぽけなプライドと。
繰り返すうちに、真実がわからなくなった。
どれもきっと本当で、けれど少しずつ違う。


乗換え駅で買ったリプトンのアップルティを、地下鉄のホームで口に入れた。
これから一日が始まるのだから、泣いてる場合じゃない。

2008年10月29日水曜日

眼鏡。

泣きながら眠りについた翌日は、
いつも眼鏡をかけて出勤する。
メイクで誤魔化せないほどに腫れたまぶたを隠すために。

先週から、デスクの引き出しに置き忘れたままの眼鏡。

困ったな、明日の朝は、どうしよう。

絶対泣かない、と決めたから、
次に会える日までに、全部全部枯れちゃえばいい。
その日が来ないとしても、いい加減、枯れちゃえばいい。

2008年10月16日木曜日

辿る。

私からおくる言葉とあのヒトからおくられる言葉は、
どうしようもないくらいに平行線を辿るのみで、
夏は過ぎ秋が深くなった。

このまま、どうしようもなさを抱えたまま、
冬がきて春がきて。
繰り返す中で、揮発性の一般論がなくなって
きっと、より濃縮されてしまうのでしょう。

2008年8月27日水曜日

ノコルモノ。

膨らみすぎた風船のように
あのヒトは私の中で大きくなって、
内側から圧迫していた。
私の中にあったはずのもの、全て追いやって。
私の中身は、あのヒトと本能だけになっていた。


風船は弾け、私は空洞になった。


あんなに幸せに震えていた身体も今は、
空っぽの空間に注がれた涙と、残っていた本能だけ。

ただ会いたいと、繰り返すだけ。
また眠れない夜がきた。

2008年7月27日日曜日

遅い昼寝の夢。

激しい夕立の音に包まれながら、
泥のように眠りに落ちていた。
はしゃぎすぎた昨日の後遺症。

幸せのような、切ないような、夢を見ていた。
目が覚めたことに後悔して
夢の端っこを掴まえようと再び目を閉じてみたけれど、
反して覚醒していく頭。
湿気のこもるベッドで寝返りを繰り返す。

夏が夏の輪郭を持たないまま、ただただ漂っている。

2008年7月15日火曜日

望。

例えば、1週間後とか。
1ヶ月後、3ヶ月後、半年後。
1年後でもいいから。

あのヒトに会える、という希望さえあれば、
その日に続く毎日は、ずっと満たされているのだと思う。

どこまで先へ辿ってみても、
見つからない1日。
切望がまた水滴となって、
私の頬に零れます。

会えるだけでいい。
それさえも、今は夢みたいなワガママ。

2008年7月7日月曜日

矢印。

バスの座席に身を沈めて、遠く遠く遠いことに想いを馳せていたら、
視界の左の隅に大きな白い犬をとらえた。
走るバスからギリギリ位置で寝そべる大きな犬。

驚いて振り向いたら、アスファルトに描かれた左折の矢印だった。

疲れてるのかな、私。
疲れてるせいにしていいのかな。


考えは同じ輪郭をなぞるのみで、
繰り返すほどに浮き彫りになる。
縋れる藁もなく、ただばたばたともがく両手。

クロニクル。

読みかけのネジまき鳥の小説も、
続きが読めないまま奥へと押しやって、
気付けば7月。

リハビリのように思い出しては、また絶望的な気持ちになって、
自分の無力さを再確認する日々。
気付けば、夏。


願うことは一つ。
それは去年の夏と変わらないけれど、
何も知らないでいた頃より、
知ってしまった今の方が、
よっぽど臆病で愚かだ。

2008年6月3日火曜日

雨の形。

窓の外、梅雨の最初の雨が庭の薔薇たちを濡らしています。

あと少しで、このサイトのお引越し&リニューアルも終わりそう。
なんだか色々、抜けているような気がするけれど。

最近、波を乗り切ったと思ったら、
心がギスギスしていることに気が付いた。
そうでなければ乗り切れなかったってことなのかしら。

いつから自分を労わるときに身体に与えるモノが、
ハーブティからアルコールに変わったのだろう。
思い出せないほど、ずっと遠く。
思い出さないように、流し込む。

2008年5月19日月曜日

ビックリなこと。

自分の身体の中の、涙の量。
これにはもう、本当にビックリしている。

蛇口が壊れていて、あぁもう、って思いながら、
まだ止める術が見つからない。
治ると信じて発信を押した先には、
長い長い沈黙が待っていた。
長い長い夜。

2008年5月8日木曜日

遠吠え。

左目からボロリと零れた涙が右目に入って、
さらに溢れて枕に吸い取られた。

そばにいたかった。
力になりたかった。
笑顔を見ていたかった。
強くなりたかった。

けれども全て、私の手で壊した。

触れるのを恐れた。
とことん無力だった。
泣き顔ばかり見せた。
強がるほど弱くなった。

思い出すだけで、飽きることなく反射的に涙が出るものだから、
思い出さないように努めていた。
平穏な毎日が送れるように。
あのヒトの平穏な日々を壊したのは、間違いなく私なのに。

それなのに、また。

2008年4月12日土曜日

消去。

本当は、悲しむことじゃないってわかってる。
意図的ではないんだってわかってる。
わかってる。でも。

私の手元に届いたメールが2通。
その差、7分。
それこそが、現実。
その距離感を生々しく感じてしまったら、
1通目の差出人に途中まで返事を打っていた親指は、
迷うことなく「クリア」ボタンを押していた。

クリアクリアクリア

心の中に、黒い影。
こんなのいらない。
だから、何も考えない道を選んだはずなのに。
もう何も考えないって宣言したはずなのに。

全部、全部、消去しちゃいたい。
私の頭の中も。
あのヒトの頭の中も。
共有した時間も。
投げつけた言葉も。
傷つけた過ちも。
救えるような気がしたことも。

2008年4月8日火曜日

橋の上、東京タワーの赤。

会いたいよ
会いたいよ

肩が触れる距離で歩いた川の上を
今日は独り、傘をさして歩いた。

会いたいよ
会いたいよ
会いたいよ

愛だとか恋だとか、そんなものではないとしても。
早く、君に会いたい。
次に会ったら、少しは素直に告げられるのかな。
会いたかったって。
すごく会いたかったって。

2008年3月12日水曜日

決心と、思い出と、箱。

もう何も待たない。

期待しない。

夢を見ない。

待たない。
待たない。

待たない。

それは崩れるほどに辛くて、仕事中も涙をティッシュで抑えながらクライアントに電話をかけていたくらいで。
決心だったのか、諦めだったのか、現実を受け入れたのか、それとも全部なのかもしれないけれど、
待たないと決めたら全てが過去になった。
江國さんの小説の中に出てくるように「過去は全部箱の中」

なんだかすごく遠い昔のことのようで。
今、と、過去、を分けて捉えたら、気持ちが元気になりました。
前はもっと、脆かったはずだけれど。
少しは逞しくなったのかしら。

スーパーマンみたいに駆けつけてくれた友達の励ましを裏切らないように、
健やかな気持ちで過ごす決心。

2008年2月18日月曜日

闇に溶けた。

泣き過ぎて、
涙は枯れないと思っていたけれど、
泣き過ぎて空っぽになって、
何も考えられなくなった。

考えようとすると、なんだか変な防御機能が働いて、
思考が切断される。
軽い記憶喪失みたい。

最後に見た顔は、怒っていたのか呆れていたのか哀しんでいたのか。
軽蔑していたのか絶望していたのか。
思い出せないのではなくて、
ぼやけてちゃんと見えていなかったのかもしれない。

2008年2月12日火曜日

技。

「声を出さずに泣くこと」
「目を腫らさないように涙を流すこと」

でも本当は、涙が零れないような技を身につけたい。


何を言っても空回ってしまうから、
何かを言おうとすると泣いてしまうから、
何を口にしても気持ちとはズレてしまうから、
何を説明しても重くなってしまうから、
無言で電波の向こうの気配に耳を済ませる。

溜め息が聞こえた。
あのヒトの口から出た白い息さえ、見える気がする。

帰り道、ひとしきり泣いたのにな。
オレンジの街頭の下で、冷めた缶コーヒーを飲み干しながら、
悩んでなんてない振りをしようって決めたのにな。

私にとってあのヒトは大き過ぎるプラスで、
あのヒトにとって私は正にも負にも動けなくて、
だから私からあのヒトを引いてしまうと、私の存在理由がわからなくなる。

2008年1月17日木曜日

鳩。

寒い帰り道。

ふと見上げた夜空に、群れを成して飛ぶ鳩の白いお腹が、雪のように見えました。
冷たい耳、冷たい鼻。

月曜に買った井上荒野さんの『潤一』を、通勤の地下鉄の中で読んでいるのだけれど、
テーマというか核となる部分が川上弘美さんの『ニシノユキヒコの恋と冒険』と酷似していて、
新しい作家に手を出した時にいつも持つ、距離感というか異物感がない。

一日があっという間に過ぎていくのに、眠れない日々が続いています。

2008年1月9日水曜日

僕の右手を知りませんか?

ブルーハーツ聴きながら、帰宅。
寒い夜空の下だけれど、アルコールを流し込まれた身体は、予想以上にぬるい体温。

あの人が“敢えて”取る行動は、
結果として私に待つことを悲観視させなくなったことに、
本人は気付いているのでしょうか。

期待していたモノを与えられるより、
期待していなかった方が振動は大きい。
そのことを、あの人は知っているのでしょうか。

だから、結局私は不動に幸せだと
知っているのでしょうか。

2008年1月7日月曜日

反芻動物。

この現状は、振り回されてるのかな

そんなつもりはまったくないけれど、
振り回していると断言されたのだから、
きっと振り回されてるのでしょう。

でも。
違う。
ほんとうは。

無防備なまでに、自分の意志で、振り回っている。
そうでなきゃ、ツライ。
きっと苦しめているのは私なのだから。
ツライのは、私じゃない。


13日経って、ようやく消化完了。
けれど今更過ぎて、伝えることさえ憚られる13日目。