またもや、作業をしていたらこんな時間。
秋深し。
さきほど、探しモノをしていて、
フランスに留学していた頃のメモ帳を見返していました。
散歩をして通った道の名前、
その日買うモノのリスト、
ショコラティエで買ったチョコの覚書から、
博物館でのスケッチ、
覚えた単語、友人の名前。
そんな雑多に書き留められたものの中に、あった言葉。
「魚はそのままでも魚だけれど、
お菓子は水の中に入れてしまえば
溶けてなくなってしまう。
ゼロから生み出す楽しさに惹かれた。」
一瞬、自分で書いた字にもかかわらず、
何のことだかわからなかったのだけれど、
記憶をたどって思い出しました。
これは、パティシエとして、フランスへ来た友の言葉。
どうしてパティシエになろうと思ったの?という私の問いに、
彼が答えてくれたモノでした。
きっと、真摯に答えてくれたその想いを、
残しておこうと思って書き留めたのでしょう。
それを忘れてしまっていたことを、深く反省。
きっと私がテディベアを作るのも、
それに近い感覚なのだと、共感したはず。
忘れたくないと願ったことを、
忘れないでいられる人間になりたい。
歩いた道の名前や、チョコの名前や値段は忘れてもいい。
ただ、その時感じた空の青さや風の冷たさ、
口に広がった甘さや、何故だかわからないけれど泣きたい気持ちになったこと。
せめてそういう感覚だけは、忘れないでいられる人間でいたい。